将棋の藤井聡太2冠(王位・棋聖=18)が渡辺明王将(名人・棋王=36)への挑戦権獲得を目指す、第70期王将戦挑戦者決定リーグ3回戦の永瀬拓矢王座(28)戦が26日午前10時から東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。先後は事前に決まっており、先手藤井先手7六歩、後手永瀬後手3四歩と、お互いに角道を開けてスタートした。

両者は過去2回、対決している。今年6月4日の棋聖戦挑戦者決定戦、同23日の王位戦挑戦者決定戦と、いずれも勝った藤井が挑戦権を獲得。そのまま両タイトルを奪取した。

ただし、今期のリーグ戦は羽生善治九段(50)、豊島将之竜王(叡王=30)に連敗している。来年早々に開幕する王将戦7番勝負への出場切符を得るには、もはや1つも落とせない。

対する永瀬は先月、保持していた叡王を豊島に奪われた。今月14日には、最終第5局までもつれ込んだ王座戦で久保利明九段(45)の挑戦を退け、初防衛を果たしている。2次予選から勝ち上がった今期リーグは、同じ2予勝ち上がり組の佐藤天彦九段(32)、木村一基九段(47)に連勝と、藤井とは対照的な出だしとなっている。初の王将戦挑戦権獲得を狙うには、過去に2回タイトル戦挑戦を阻まれた宿敵から初白星を挙げておきたい。

この日は木村対佐藤天戦も同所で同時に始まっている。持ち時間は各4時間。同日夜には決着の見込み。