将棋の第70期王将戦挑戦者決定リーグ4回戦、藤井聡太2冠(王位・棋聖=18)対佐藤天彦九段(32)戦が、29日午前10時から東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。先後は事前に決まっており、先手佐藤先手7六歩と角道を開けると、後手藤井は後手8四歩と飛車先の歩を突いてスタートした。

佐藤は2次予選から勝ち上がったが、リーグ成績は1勝3敗。藤井戦のほか、豊島将之竜王(叡王=30)との対局が控えている。

7人総当たり、9月から2カ月間に行う短期決戦のリーグで、藤井は羽生善治九段(50)豊島、永瀬拓矢王座(28)に3連敗。渡辺明王将(名人・棋王=36)への挑戦権争いから大きく後退し、年度内の3冠獲得も絶望的となった。4連敗となれば負け越しが決まり、残留どころか陥落の目すらある。

両者は過去2回対戦している。2018年の朝日杯準々決勝と、新型コロナウイルス感染拡大防止の緊急事態宣言が解除された直後にあたる今年6月2日の棋聖戦決勝トーナメント準決勝で藤井がいずれも勝っている。勝率5割と残留に向けて、弾みを付けたい。

同日同所では、同じ王将リーグ連勝中の羽生善治九段、対広瀬章人八段(33、1勝1敗)も行われている。

持ち時間は各4時間。同日夜には決着の見込み。