政令指定都市の大阪市を廃止して4特別区に再編する「大阪都構想」の住民投票が11月1日実施され、即日開票される。15年以来2度目の住民投票を翌日に控えた31日、大阪市内では賛否両派が舌戦を繰り広げた。今回も市民の賛否は拮抗(きっこう)しているとみられる。

推進派の大阪維新の会代表の松井一郎大阪市長(56)、代表代行の吉村洋文大阪府知事(45)は、若者の文化の発信地でもある大阪・ミナミのアメリカ村で街頭演説。「ナマ吉村や!」と若者が立ち止まり、スマートフォンで動画や写真を撮影した。吉村氏は「二重行政をなくし、成長する大阪を次の世代にバトンタッチしたい。みなさん、投票に行きましょう」と若者らに呼び掛けた。前回の住民投票で反対した公明党は今回、賛成に回る。投票は市内の18歳以上の有権者約224万人が対象となる。

反対派の自民党などは大阪市存続を訴えて都構想批判を展開した。「大阪市廃止にNO!」のTシャツを着た自民党の大阪市議団の北野妙子幹事長(61)は大阪市内で「大阪市がなくならないよう、明日の投票は反対と書いてください」と訴えた。

立憲民主党副代表の辻元清美衆議院議員(60)はヒョウ柄のコスチュームに身を固め「大阪はお好み焼きみたいな街。いろんな人がいっしょに暮らしている。白か黒か。大好きな大阪の街を分断するのは、もうやめてほしい」と訴えた。

約130年続く大阪市を残すのか、新たな自治の形を選ぶのか。2度目の審判が下る。  【松浦隆司】