大阪維新の会は21日、大阪市で全体会議を開き、「大阪都構想」再否決を受けて辞任する松井一郎大阪市長(56)の後任を決める代表選挙を実施し、代表代行の吉村洋文大阪府知事(45)を選出した。

代表選挙には「3度目の都構想」を掲げた片山一歩市議(57)が立候補したが、投票結果は吉村氏が232票、片山氏が11票、無効票が1票だった。

新代表に就任した吉村氏は「『ワン大阪』を大きな理念とし、大阪維新を前に進めていきたい」と決意を語った。都構想が再否決された上での立候補について「負けた責任もあるが、背負う責任をある」と強調し、「(維新は)いま3回目のピンチの状況かなと思っています」と話した。

15年の大阪都構想の住民投票では維新創始者の橋下徹元大阪市長(51)が政界を引退。2度目の住民投票でも否決され、屋台骨を支え続けた松井市長が23年春までの任期満了をもって政界引退する。

「(ピンチの)1回目は橋下さんが代表を辞めるとき、『維新の会はダメだね』と言われた。松井さんがここまでやってこられたが、松井さんが代表を辞任されることで創業者2人がいなくなる。『屋台骨の松井さんがいなくなればダメでは?』と言われている。これから大阪の維新の会が大阪の成長を支える政党としてさらに前進するのか。この危機を乗り越えて、大阪の成長を前に進めたい」と意気込んだ。

新代表の任期は2024年11月までの4年間。代表のバトンを渡した松井氏は「新しい感覚で、維新スピリットを引き継いでもらう新しいリーダーが誕生した。先頭の立ち、次の10年をつくってほしい」とエールを送った。【松浦隆司】