「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」の決勝が22日、都内のABEMAスタジオで行われ、豊島将之竜王(30)が初出場の永瀬拓矢王座(28)を破り、4年ぶり2度目の優勝を決めた。豊島竜王は「決勝まで来られただけでも満足というか、うれしく思っていましたが、やはり優勝できてうれしいです」と喜びの言葉を口にした。

豊島竜王は今年の叡王戦7番勝負で永瀬王座と対戦し、持将棋2局を含む9番勝負の激闘の末に勝利を収めていた。これで対戦成績は7勝7敗2持将棋と5分になった。永瀬王座との対戦について、豊島竜王は「対局するたびに非常に勉強になりますし、普段のトレーニング、ハードワークをしないといけないと思います」と語った。

2回戦で藤井聡太2冠(18)、準決勝で昨年覇者の渡辺明3冠(36)を破って決勝に進んできた。豊島竜王は「6月から8月にかけて渡辺さん、永瀬さんに負けたり、藤井さんの将棋を見て自分よりも内容がいいと思っていました。何とか追いつくというか、内容的に追いつくのが目標で、必要だと思っていたことなので、活躍されている3名の方に勝って優勝できたので自信になりました。これからにつながっていくと思います」と話した。

対局は、持ち時間各10分、使い切ったら1手30秒未満、考慮時間は1分×5回と、早指しで行われた。優勝賞金500万円、準優勝賞金150万円。

41回目を迎える今大会は、新型コロナウイルスの影響で全国各地の開催を取りやめ無観客で実施された。また、例年行われてきた「こども大会」も中止になった。藤井2冠は、子供たちに向けて「今年は大会が中止になり、皆さんに会えず残念でした。皆さんも残念だったと思いますが、将棋にはネット将棋、詰め将棋と、いろいろな楽しみ方があります。また、皆さんに会えることを楽しみにしています」と、映像でメッセージを寄せた。