社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」の公演が22日、横浜市で開かれ、トランプ米大統領を演じる松下アキラ(56)がトランプ氏から、次期大統領就任が確実な民主党バイデン前副大統領に早変わりする“超最速政権交代劇”を演じた。

金髪のカツラを脱ぎ捨て、白髪のバイデン氏に0・8秒で大変身するという早業だった。

大統領選での勝利を確実にし、次期大統領でほぼ間違いないバイデン氏だが、トランプ氏はいまだに敗北を認めていない。そんな中でひと足早く、日本で、円滑な政権移行が実現した格好だ。

松下演じるトランプ大統領は眉毛も金色に染めているが、この日お披露目した早変わりで生じた問題は、金色のカツラを取ったあとの頭髪が白髪ながら、眉だけがトランプ色が残ってしまうこと。松下は「トランプが勝つと思って、まだバイデンのネタ集めができていない」と本音を漏らしつつ「ええ、でも誰が何と言おうと私がバイデンです」と、鼻の穴を大きく広げて開き直っていた。

北九州の看板職人から役者の下積みを経て、バタ臭い顔面を生かして小泉純一郎元首相のものまねで大ブレークした松下。オバマ、トランプ、バイデンと、米大統領を3代連続で“務める”ことになる。

この日の公演は横浜市内の関内ホールで行われた。1038席収容だが、国の方針に従い半数以下の約500人の客入りで、全員がマスク着用、入場する際には手指の消毒を行うなど新型コロナウイルス対策を徹底し、静かに盛り上がった。29日に予定されていた日立市(茨城)での公演は、全国的な感染拡大を考慮し、中止された。【寺沢卓】