将棋の第33期竜王戦7番勝負第4局が26日午前9時、鹿児島県指宿市「指宿白水館」で始まった。先手後は事前に決まっており、先手豊島先手2六歩、後手羽生後手8四歩と、お互いに飛車先の歩を突いてスタートした。

ここまで後手番の3連勝で、豊島将之竜王(30)が、挑戦者の羽生善治九段(50)に2勝1敗とリードしている。本来なら12、13日に福島市「吉川屋」で開催の予定だったが、延期されていた。第3局(7、8日、京都市「仁和寺」)を終えて9日に帰京した羽生に38度9分の発熱があった。10日に診察を受けたが熱が下がらず、11日から入院したためだ。新型コロナウイルスの感染を調べるPCR検査を受け、陰性だった。病名は無菌性髄膜炎で、14日に退院した。

羽生は17日の王将戦挑戦者決定リーグで復帰して木村一基九段(47)を下したが、20日の同リーグ最終対局では豊島に敗退。23日のA級順位戦5回戦で佐藤康光九段(51)に勝って、本局に臨んでいる。

対する豊島は17日の王将リーグで永瀬拓矢王座(28)に敗れたが、20日は羽生に勝利。さらに22日の第41回JT杯日本シリーズ決勝で永瀬を下し、4年ぶり2回目の優勝を果たした。勢いに乗ってここも勝ち、初防衛まであと1勝としたい。

持ち時間は各8時間。26日夕方に「封じ手」を行って初日を終え、27日午前9時から再開する2日制で行われる。