藤井聡太2冠(棋聖・王位=18)が3日、大阪市の関西将棋会館で指された第6期叡王戦段位別予選八段戦で、長沼洋八段(55)を破り、Cブロック予選準決勝に進出した。同日午後7時からの準決勝では師匠の杉本昌隆八段(52)と対戦する。通算3度目の師弟対決となる。藤井が2冠獲得後、初の対決となる。

中盤でリードを奪った藤井が、最後は持ち前の鋭い攻めで投了に追い込んだ。終局後、藤井は「薄い形からの戦いが続いたので、終始難しいのかなと思っていました」と振り返った。過去2勝の師弟対決に「師匠と対戦できるのは楽しみです。全力を尽くしたい」と意気込んだ。

今期から主催が洋菓子メーカー「不二家」となり、対局室には栄養補給用にお菓子ボックスが置かれた。マスコットキャラクター「ペコちゃん」のイラスト入りのお菓子ボックスから好きなものを選べるシステム。チョコレートを口にした藤井は「糖分補給にはぴったりなのかなと思いました」と笑顔を見せた。

叡王戦は将棋の8大タイトル戦の1つ。持ち時間各1時間の早指し戦。四段から九段までに分かれた段位別予選を行い、12人が通過。28人が参加する八段戦は3組あり、各組優勝者の計3人が本戦に進む。本戦はシード棋士4人を加えた16人で戦う。【松浦隆司】