クリスマスまで2週間あまり。新型コロナウイルス感染拡大で、世界中のサンタクロースの活動にも影響が出ている。

サンタは初めて経験するコロナ禍で、どのような活動を行っているのか。グリーンランド(デンマーク自治領)国際サンタクロース協会で、日本唯一の公認サンタクロースのマンボミュージシャン、パラダイス山元(58)に話を聞いた。

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今年、公認サンタ試験は開催されなかったが、山元は98年に当時史上最年少の35歳で合格した。試験は実技、発声、面接などがある。「本当に狭き門です。まず実技はプレゼントが入った袋を持って50メートル走って、はしごを登って煙突から暖炉に出て、プレゼントを置いて、戻る前に暖炉に置いてある山盛りのクッキーを食べ、また煙突を登り、はしごで下がる。最初の難関です」。実技で大量に落とされ、面接でも試験官の古株サンタのお眼鏡にかなわなければ落とされる。

推薦や体重120キロ以上、既婚者で子供がいることなど条件はあるが、最近は緩和された。「逆に条件に当てはまらなくてもこの人ならやっていけるよね、と認められるのがさらに難しくなった」。合格後は教育係のデンマーク人サンタに基本動作などを習った。「最初はサンタさんってこんなに怒るの!? というくらい、しょっちゅう怒られました」と振り返った。