小型惑星探査機「はやぶさ2」が、小惑星「りゅうぐう」から地球に持ち帰ったカプセルが8日、神奈川・相模原市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)相模原キャンパスに到着した。記者会見で津田雄一プロジェクトマネジャーは「52・4億キロの旅をして帰ってきてくれた。大きな実感が湧いている」と興奮を抑えながら語った。カプセル内のサンプルは真空下で採取された後に窒素環境に移行して成分分析する日本独自の技術によって「早ければ、来週にも、りゅうぐうの試料が入っているか、どうか分かる」と、宇宙科学研究所の臼井寛裕地球外物質研究グループ長は解説した。

採取された可能性が高いのは、水があったとされる、りゅうぐうの表面と地下の岩石や砂。中でも太陽光線や太陽風にさらされていない地下物質には、太陽系誕生の起源や地球に生命が誕生した謎の解明に迫る貴重な試料とされている。