英国でコロナの変異種による感染が急拡大し、欧州各国で水際対策が強化されるなど危機感が高まっている。欧州メディアなどによると、ドイツ、オランダ、イタリア、アイルランド、ベルギー、フランス、スイス、オーストリア、ブルガリア、トルコなどが英国からの航空便受け入れや、陸路、海路を含めた入国などを一定期間停止する方針を打ち出した。

コロナウイルスは増殖するうちに変異する。南アフリカなどでも変異種が確認されている。英国の変異種は感染力が強く、ジョンソン首相は従来種の約1・7倍の可能性を紹介。オランダやイタリアでも確認された。開発されたワクチンの変異種に対する効果について、英当局は「効かない証拠はない」とし、ドイツのシュパーン保健相は「効果がある」と指摘した。

この変異種について、加藤勝信官房長官は「国立感染症研究所によると、国内で同様の変異したウイルスは確認されていない」と述べ、田村憲久厚労相は「情報を確認し、専門家と相談して対応を早急に検討する」とした。ロンドン便は日本航空が週5往復以上、全日空が週4往復運航しているが、21日時点では変更はない。日本航空は対応を検討中としている。

日本は現在、英国を入国拒否対象国とし、旅行客らは受け入れていない。入国が認められているのは日本人や中長期在留資格関係者らで、帰国・入国する場合は全員、空港到着時に検査を受け、原則14日間待機する。滞在が7日以内の短期出張から帰国・入国する場合は、一定の条件を満たせば待機が免除される。