全国有数の参詣者で知られる成田山新勝寺(千葉・成田市)で緊急事態宣言の再発令が迫る中、2月2日に行う、恒例の「成田山節分会」の豆まきのコロナ対策で規模を大幅に縮小して開催することが6日、明らかになった。

江戸時代に歌舞伎役者の初代市川團十郎が成田山新勝寺で祈願して子宝を授かったとされ、後に市川家は「成田屋」の屋号を使うようになるなど歌舞伎界と縁は深く、例年、市川海老蔵ら歌舞伎役者、大相撲の関取衆、著名人が豆まきを行い、「昨年は約4万~5万人の一般客の方にお越しいただいた」(同寺企画課)という人気イベントに定着している。

昨年も招待され、常連となっていた横綱白鵬は前日5日、新型コロナウイルス感染が判明するなど、感染拡大に歯止めがかからない状況で、今年は3密などの感染リスクを回避するために、本堂前の特別舞台の設置を取りやめた。歌舞伎役者や関取衆を含め、例年10人ほど招待していた著名人の参加を見送り、豆まきに関する広報、周知活動も控えている。

また昨年までは一般客が豆をキャッチしやすいように約20粒の豆を1袋に詰めたものを特別舞台の上から大量にまいていたが、今年は袋入れをやめ、豆だけをまくスタイルに変えた。これまで同様に混雑を避けるため、1部から3部に分けられ、約100人の年男が豆まきを行う。「著名人らの招待が定着した、ここ30年ほどで、このような事態は初めて」(同寺企画課)という。コロナ禍で疫病退散などを願う名刹(めいさつ)の豆まきも「緊急事態」となった。【大上悟】