将棋の藤井聡太2冠(18)が9連勝で昇級を決めた。第79期順位戦B級2組9回戦、窪田義行七段(48)戦が9日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。午前10時から始まった対局は午後9時46分、100手で後手藤井が勝利した。この結果、最終第10局(3月10日)を待たずに3位以内が確定。昇級は上位3人という規定を満たし、B級1組への昇級を決めた。

終局後の藤井の一問一答は以下の通り。

-窪田七段の四間飛車は予想どおり?

藤井 考えられる戦型だと思っていました。(中盤は)難しい展開だと思っていた。金が4一と4二と縦に2枚並ぶ珍しい形だったが、こちらの陣形を崩さなければ何とか戦えると考えていました。

-優勢を意識したのは

藤井 後手6六馬(74手目)とぶつけたあたりで、攻めが手厚くなった気がしました。

-勝ちを意識したのは

藤井 後手5九角(96手目)と打ったあたりで攻めがつながる形だと思いました。

-昇級の一番でしたが

藤井 ふだん通りじっくり考えて指せればと思っていました。

-勝って決めた感想は

藤井 昇級の可能性が高い状況で、勝って決めることができてとても良かったです。負けても昇級の可能性があるのは知っていましたが、他局のことはあまり考えないようにしようと思っていました。

-B級2組の対局を振り返って大きかったのは

藤井 初戦(佐々木勇気七段戦)に勝つことができて、前を向いてやっていくことができました。

-順位戦は今期もここまで9連勝です

藤井 難しい将棋が多かったのですが、しっかり考えて指して結果につながったと思います。

-前期に続いて連続昇級です

藤井 B級1組だと、また対戦相手がさらに厳しくなると思います。これからもっと実力をつける必要がある。しっかり考えて指したい。

-B級1組の印象は

藤井 トップ棋士で実力がある方ばかり。自分もさらに力をつけて戦っていきたい。総当たりで、強い方と長い持ち時間で戦えるのは楽しみです。

-B級1組まで上がれば、A級、名人挑戦まで見えてくると思うが、意気込みは?

藤井 自分としてはA級とか名人を意識することは全くない。B級1組でどれくらい戦えるのかが大事。安定した力が試される。力を付けて戦いたい。

11日には都内で行われる第14回朝日杯オープン戦で渡辺明名人(棋王・王将=36)と準決勝で対戦する。勝てば同日午後からの決勝に臨む。昇級の弾みをつけて、2年ぶり3度目の朝日杯制覇に挑む。

藤井 いいパフォーマンスを出せるようにしたい。持ち時間が(各40分、順位戦は各6時間)短いので、決断良く指すことが必要です。