将棋の藤井聡太2冠(棋聖・王位=18)が18日、関西将棋会館で行われた第34期竜王戦2組ランキング戦準々決勝で広瀬章人八段(34)を下し、ベスト4に進出した。藤井はデビュー以来、6組、5組、4組、3組と4期連続で優勝。1月末で名古屋大学教育学部付属高校(名古屋市)を自主退学したことが明らかになってからの初対局を白星で飾り、史上初の5期連続優勝へ、あと2勝とした。

「将棋1本に専念」の覚悟を決めた藤井は先手番としては初となる「相掛かり」を選択した。双方の飛車先の歩を交換する戦型。昼食後は、長考合戦が繰り広げられたが、中盤からリードを広げた藤井が熱戦を制した。将棋1本に専念した研究の深さの効果もあった。

終局後、藤井は「序盤から構想が難しい将棋だった」と振り返った。これで公式戦は15連勝、本戦トーナメント(T)進出を目指すランキング戦では、22連勝。絶好調モードに突入した。

竜王戦は現役全棋士と女流棋士4人、奨励会員1人、アマチュア5人が参加。1組から6組まで格付けしてトーナメントを実施。勝ち抜き人数は1組から順に優遇し、本戦Tに出場できるのは1組上位5人、2組上位2人、3、4、5、6組各上位1人の計11人。

藤井は過去、4期連続で本戦出場と昇級を果たしてきた。今期の2組には渡辺明名人(棋王、王将=36)ら強敵がそろう。準決勝では松尾歩八段(40)と対戦する。準決勝では松尾歩八段(40)と対戦する。「次も一手一手を考えて指したい」。異次元の強さがさらにパワーアップした。