五輪相を辞任し、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会会長に就任した橋本聖子氏(56)の後任に、丸川珠代氏(50)が起用された。16年8月から1年間、五輪相を務めており、再登板となる。橋本氏同様、男女共同参画、女性活躍も担当する。

<組織委会長との違い>

東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長と五輪相はどんな仕事をしているのか。

組織委員会の会長は関係各所との調整役だ。こう言えば聞こえはいいが、かなりの激務。IOC、政府、東京都などと、さまざまな政治的綱引きをする。費用面をひとつ取っても、どこがいくら出すかを決める上で、政治的な調整も行わなくてはならない。森前会長の仕事ぶりを例に取ると、関係各所に実際に足を運ぶなどし、スポンサー回りも行った。大会に従事する医療従事者への協力を取り付けるため、各地の医師会や病院にも赴いた。会議やIOCとのパーティーの席次表なども、細かくチェックしていた。

一方、五輪相は、大会の円滑な準備及び運営に関する施策を総合的かつ集中的に推進するため、行政各部の所管する事務の調整を担当する。政府の基本スタンスは主催都市の東京都、組織委員会をサポートする立場だが、国が主導するコロナ対策を含む感染症対策などでは、リーダーシップを取る。専任の五輪相が新設されたのは15年。組織委会長代行の遠藤利明氏(71)が初代大臣を務めた。以降、丸川珠代氏、鈴木俊一氏、桜田義孝氏が就任。桜田氏は失言で辞任し、鈴木氏が再登板。その後、橋本氏が19年9月に就任していた。