東京五輪・パラリンピック組織委員会会長に就任するため、五輪相を辞任した橋本聖子氏(56)の後任、丸川珠代氏(50)が19日、東京都庁を訪れ、小池百合子知事(68)と会談を行った。丸川氏は16年都知事選で、小池氏ではなく別の候補を応援。前回の五輪相時代も小池氏との関係はぎくしゃくするなど、2人は犬猿の仲とみられている。

丸川氏が「広報本部長!」と、自民党時代の小池氏が務めた役職を口にした。小池氏も「あの時のTシャツは結構売れたんですよ」と懐かしそうに振り返った。丸川氏がすかさず「懐かしゅうございます」と応じるなど、和やかなムードを演出した。

丸川氏は「また都知事の後を追い掛け、もう1度、五輪・パラリンピックの現場に戻ってまいりました」と先輩を“ヨイショ”。小池氏は「あと154日しかありません。何よりもコロナ対策に尽きます。またぶり返しがみられる」と、早速危機感の共有を促した。

また、小池氏は男女共同参画と女性活躍の担当相も務める丸川氏に「テレワークは女性活躍に極めて有効です」と主張。コロナ対策として都民に訴え続けてきたテレワークを、丸川氏が担当する女性活躍にからめてアピールした。丸川氏は「橋本新会長が(組織委内で女性)理事の数も検討していただけると。国としてもできる限り、支援していきたい」と前任者関連の話を出し、小池氏を立てる形でうまくまとめた。

丸川氏は会談に先立ち行われた19日朝の閣議後会見で、18日に小池氏と電話会談を行ったと明かした。「『一緒に頑張りましょう』と言っていただいて。私からしっかりお支えしますと申し上げました」。丸川氏から電話をかけたという。「何度か行き違いが。かけたり、かからなかったり」と明かした。電話あいさつはこれまでの関係を象徴するかのようにすんなりといかなかったが、19日の都庁会談のような連携プレーが大会成功の武器にもなる。【近藤由美子】