立憲民主党の安住淳国対委員長は19日の党代議士会で、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会会長に就任した橋本聖子会長が議員辞職せず、歳費を受け取りながら今後、会長職を理由に国会の欠席を続けた場合には「別の意味で河井案里さんのような批判を受けるのではないか」と指摘した。

安住氏はこの日、橋本氏と面会。当初、自民党を離党せず、党北海道連会長も辞めないとされたことに「耳を疑った」とした上で「今後、(北海道2区の)補欠選挙も総選挙もある。会長として候補者との2連のポスターをつくれば、オリンピックの政治利用になるのではないか。自民党の自民党による自民党のためのオリンピックになってしまうと申し上げた」という。

「組織委員会のいろんなイメージを払拭(ふっしょく)するため、努力をされて会長になられたことはよかったと思うが、これに水を浴びせるようなことになってしまう」とも指摘。「そういうことをジャッジメントできないことは、これから(組織委会長として)正しい判断をやっていけるのかという心配もあったので申し上げた」と伝えたとし、橋本氏は「分かりました。考えたい」と引き取ったという。橋本氏はその後、離党の判断をした。

安住氏はまた、議員辞職を否定する橋本氏の判断にも疑問を呈した。「歳費をもらいながら本当に会長をできるのかという疑問がある。3月には参議院で予算案審議が毎日のようにある。それに出席しながら会長をなさるのか」と指摘。「こういうことをきれいにして、オリンピックの責任者として頑張ってほしいから申し上げる」と、訴えた。

22日には菅義偉首相も出席した衆院予算委員会が予定され、野党側は橋本氏の立場の問題も首相にただす方針だ。