テレビ朝日「報道ステーション」では、3月8日から東日本大震災の特集「3・11から明日へ」を12日まで放送する。

10年前に震災の発生した11日は15分放送枠を拡大して午後11時25分まで放送する。

今年2月13日に福島県沖で発生した最大震度6強の地震も東日本大震災の余震とみられる。いまだ気が抜けない状況が続く中、震災発生から10年で被災地の復興はどう進み、人々は何を思ってきたのか。

そして、「あの日」がもたらした教訓、今後に向けた課題とは一体何なのか。

番組では、さまざまな角度から、この10年を振り返り、明日への道標(みちしるべ)を探っていく。

特に11日は、改めて震災とテレビ報道を検証する。富川悠太アナウンサー(44)が被災地から中継するほか、スタジオでは小木逸平アナ(46)、徳永有美アナ(45)、森川夕貴アナ(27)が「震災にまつわる過去・現在・未来」に深く切り込んでいく。

この日は、各地で行われるさまざまな追悼式典の模様や被災地の人々が10年経った今ささげる祈りなどを取り上げる。

さらに「震災とテレビ10年の検証」と題した特集も放送する。

「津波の恐ろしさ」と「津波が奪った日常」、「人々の悲しみ」に真正面から

向き合う。

また、未曽有の災害で報道も混迷を極める中、テレビは「命を守る報道」、「被災者のためになる報道」ができたのか-テレビに出来たこと、出来なかったことを検証する。

日替わり特集では、被災者と復興の10年、難題を抱える廃炉作業の現状を徹底取材した。

初日8日には「川崎フロンターレと陸前高田の10年」を放送する。

川崎Fは10年前からサッカー教室や物産販売だけでなく、地元米を使った「清酒造り」で岩手県陸前高田市を支援してきた。昨年引退した中村憲剛氏(40)も現役時代に米の苗を育て、サポーターらと田植えツアーなどを実施してきた。そして今回は、中村が清酒の醸造に参加した。10年にわたる川崎Fと陸前高田の絆を伝える。

翌9日(火)は「陸前高田・両親失った“祭り”少年の10年」を特集する。陸前高田市の津波で両親を失った少年(当時9歳)を番組は、10年にわたって取材してきた。現在、19歳になって初めて口にした、震災当時の絶望、前を向けるまでの出会いと葛藤を映像におさめた。陸前高田市の復興とともに被災地に生きた1人の少年の成長を伝える。

10日は「フラガールが見た福島の10年」。フラガールこと「スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチーム」元リーダーは今、後輩の指導をしている。双葉町の自宅は原発から1キロ。復興を信じて踊り続けた一方、自宅周辺では焼却施設の建設が進み、近づくことさえ難しかった。希望を失いかけていた元リーダーが再び訪れた故郷でみた景色とは何だったのか。

12日は「廃炉の現在地」。福島第1原発事故から10年、目指す「廃炉」への道はどこまで進んだのか。政府は事故から30、40年後の廃炉を目標としているが、本丸である「デブリの取り出し」もメドが立っていない。本当は、廃炉にどれだけの年月が必要なのか。答えを探るべく、富川アナが原発内部を取材した。廃炉に向けた「現在地」を伝える。