囲碁の最年少プロ、仲邑菫初段(12)が15日、二段昇段を決めた。

東京・市ケ谷「日本棋院東京本院」で午前10時から打たれた第28期阿含・桐山杯 全日本早碁オープン戦予選B1回戦で、221手までで松原大成六段(48)に黒番(先手)中押し勝ちした。午後2時30分からの同2回戦では小山空也四段(24)に白番中押し勝ちを許して姿を消したが、松原戦の勝利でデビュー以来、男性棋士も参加する公式棋戦(女流棋戦は除く)での通算勝利数を30とし、規定を満たした。昇段は16日付。「全体的にうまく打てました。(昇段は)目標にしていたので、うれしいです」と、勝局後の会見で笑顔を見せた。

今月2日、仲邑は12歳になったばかり。10歳でデビュー以来、約2年かけて勝ち星を積み上げた。12歳0カ月での昇段は、趙治勲名誉名人の12歳3カ月を上回って最年少。「尊敬している先生なのでうれしいです」。小学生での二段はその趙が1968年(昭43)10月に達成して以来、約52年5カ月ぶりとなる。

「頂点を目指すための第1関門を通過したようなもの。まだまだ総合的に伸びる。近い将来、女流棋戦のタイトル戦に出てくる」。ナショナルチームを率いる高尾紳路九段は期待する。また、上野女流棋聖の師匠で、藤沢本因坊の父でもある藤沢一就八段は、「1~2年したら、上野の妹(上野梨紗初段)とともにタイトル争いに絡んでくるだけの力がある」と予測する。

今年1月、日本棋院関西総本部から東京本院に移籍した。4月からは中学生。「強くなれるように頑張りたいです」と、決意を新たにしていた。【赤塚辰浩】