東京都の小池百合子知事(68)は9日、都庁で定例会見を行い、8日に政府へ要請した「まん延防止等重点措置」の期間と対象地域を発表した。期間は今月12日から5月11日まで。対象地域は23区全域と、立川市、八王子市、武蔵野市、府中市、調布市、町田市の6市となった。「これまでも飲食(飛沫による感染防止)に加えて、今回は大阪などでもはやっている変異株N501Yの猛威を考えなくてはいけない。大都市間の人流抑制が重要」。あらためて基本的な感染予防対策の徹底を願った。

3月21日をもって解除された東京都の緊急事態宣言。一時的に新規感染者数は一定程度減少はしたが、変異株のまん延などによって、1カ月足らずで、押し寄せつつある第4波に備えた次なる措置をとらなくてはならなくなった。この日の会見中、小池氏も「私も口紅をつけ忘れるほど(マスクをすることに)慣れてしまいましたが…」と苦笑いしたように、国民、都民にとっても「宣言」「措置」の危機感が薄れつつあるのも事実だ。

先月の緊急事態宣言解除後も、継続的な飲食店などの営業時間短縮を求め、当初は「段階的緩和期間」と呼んでいたものを、わかりやすく「リバウンド防止期間」と言い換えて、事業者にも都民にも徹底を促してきた。「名称がガチッとしていて伝わりにくいものもある。緩和は英訳するとリラックス。ホッとして緩んでしまうとウイルスにとって居心地が良くなってしまう」。今回の措置も、午後9時までだった営業時間を再び同8時までに前倒しすることになるが、「ワクチンが来るまでの厳しい時間であることを共有したいと考えております」と呼び掛けた。

ワクチンに関しては、都ではすでに高齢者に向けた12日からの接種開始の準備を進めている。世田谷区と八王子市には、今週からワクチンを配布済み。今後は12日からの週に足立区、大田区、練馬区、江戸川区、板橋区、杉並区、町田市、府中市、調布市、西東京市に配布を開始する。翌19日の週には葛飾区、江東区、北区、品川区、中野区、新宿区、墨田区、日野市、立川市、小平市。26日の週には62区市町村すべてで配布を始める予定となっている。

また、9日の新規陽性者数は、537人と発表した。3日連続で500人を超えた。