エリザベス英女王が夫のフィリップ殿下が9日に死去したと発表したことを受け、王室を昨年3月末で離脱した孫のヘンリー王子(36)と妻のメーガン妃(39)が、追悼メッセージを発表した。

夫妻は現在、米カリフォルニア州サンタバーバラ郊外に居住しており、フィリップ殿下の葬儀に参列するために帰国するのかどうか注目されている。

夫妻が立ち上げたアーチウェル財団の公式サイトを更新し、トップページからすべての記事やメニュー、リンクなどを排除してまっさらな状態にし、短い追悼文のみ掲載。追悼文には、「エディンバラ公爵殿下のいとしき思い出をしのんで。1921ー2021年」と書かれており、その下に「奉仕に感謝いたします。別れは大いに惜しまれます」とつづられている。

フィリップ殿下とは近しい間柄で、王室離脱後も連絡を取り合っていたといわれるヘンリー王子は、葬儀に参列するために帰国するものとみられているが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で英国に入国するには出発の3日前までにPCR検査を受けなければならず、さらに入国後は10日間の隔離措置が義務付けられているため、いつどのように帰国するのかは明らかになっていない。

夫妻は特例として隔離期間中に葬儀にのみ参列することが認められる可能性もあると指摘するメディアもあるが、第2子を妊娠中で今夏に出産予定のメーガン妃の渡航はリスクが伴うため実現するかどうかは不明。米メディアは通常、航空会社は安全面から妊娠36週以降の妊婦の搭乗は認めていないと伝えており、コロナ禍での移動はリスクも伴うことからメーガン妃はカリフォルニア州にとどまる可能性もあるとみられている。

一方で夫妻の帰国は王室離脱後初となるだけでなく、先月米CBSテレビで放送されたインタビューで王室メンバーから人種差別を受けたことなどを告白して王室に衝撃を与えたばかりのタイミングだけに、王室メンバーからどう迎えられるのかにも注目が集まっている。

FOXニュースはさっそく、朝のニュース番組フォックス・アンド・フレンズで、高齢のフィリップ殿下が入院中に夫妻が王室をおとしめる内容のインタビュー番組が放送されたことが回復の妨げになったと批判しており、夫妻のインタビューがストレスを与えたとして死の責任の一端があると非難する声も出ている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)