新型コロナウイルスの感染拡大の影響で今年1月9日から休館していた新横浜ラーメン博物館(横浜市)が4月17日から営業再開する。

98日間の長い休館だったが、約8000万円の設備投資をして、「機動戦士ガンダム」に登場しそうな新吸排気システムを導入した。新兵器は、屋上の駐車スペースをつぶして設置した4機の巨大「シロッコファン」。通常の焼き肉店では1機だけで十分まかなえるという。全館の空気の入れ替えが15分以上かかっていたのが、わずか6分で完了する。従来の“3倍の速さ”での空気が清浄化される。

館内の二酸化炭素濃度(CO2濃度)の測定も可視化した。館内と屋外に複数のCO2濃度カウンターを設置して、ホームページで数値をライブ配信する。厚生労働省より、コロナウイルスの集団感染発生リスクの高い状況の回避のための良好な換気状態の基準としてCO2濃度1000ppm以下が提示されているが、15日に新システムを稼働させたテスト運行では厨房(ちゅうぼう)でも600ppmを切った。

岩岡洋志館長(61)は「あの屋上の“ガンダム”ですね」とニッコリ笑って「もうコロナで休みたくない。お客さんに申し訳ない。昭和30年代の街並みを疑似体験してもらいながらラーメンを楽しんでもらいたい。お客様が安心できるコロナに負けない環境を整えたい。だから8000万円を投下しました」と力を込めた。

コロナ禍以前では年間80万人、およそ10億円を売り上げていたが、今年はこの3カ月、収入ゼロだ。営業再開のために、休業期間中に館内の細かい部分で破損していた箇所もすべて直した。天井に反映するプロジェクションマッピングの映像も刷新した。「コロナはなくならない。ならば戦うしかない」と岩岡館長は真一文字に口を結んだ。新生ラー博が17日から再起動する。【寺沢卓】