英国で17日に執り行われるフィリップ殿下の葬儀で、参列する男子王族が伝統的な軍服ではなく、モーニングを着用することになったと英王室が15日に発表した。

公務から退いているヘンリー王子とアンドルー王子への配慮とみられると、英メディアは伝えている。

昨年3月末で王室を離れたヘンリー王子はアフガニスタンに2度従軍した元英陸軍大尉だが、離脱に伴って軍の名誉称号も失ったことから王室の儀礼によって軍の礼装着用は認められず、勲章付きのスーツを着用して出席すると伝えられていた。

一方のアンドルー王子も海軍のヘリコプターパイロットとして従軍しており、昨年の60歳の誕生日には名誉大将の称号を受けることになっていたが、未成年との性的関係疑惑が浮上したことで2年前に公務から一時退いている。

王族で前線任務経験のあるのは両王子だけで、その2人のみが軍服を着ないという事態を避けるためにエリザベス女王が決断を下したと英メディアは伝えている。

英デイリー・メール紙によるとアンドルー王子はエリザベス女王に軍服着用の許可を求めていたといい、仮に認めた場合は着用しないのはヘンリー王子のみとなってしまうため、激しい議論の末に「2人が屈辱を感じないよう」女王自らが動いたものと見られる。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)