国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の野口聡一宇宙飛行士(56)が日本時間2日午前9時35分、地球帰還へ向け、ISSからの離脱に成功した。野口さんら4人の宇宙飛行士を乗せた初の民間宇宙飛行船スペースX社の「クルードラゴン1号機」は大気圏に再突入し、同午後3時57分ごろに米フロリダ州のメキシコ湾岸海域に着水を予定している。野口さんは昨年11月17日にISSに到着し、約半年間のミッションを終えた。

【離脱から帰還への主な流れ】

<1>離脱噴射 クルードラゴンは自ら噴射してISSから離脱。高度下降のために軌道変換を行う。

<2>ISSの軌道離脱 噴射を約12分間継続し、ISSの軌道から離れる。

<3>大気圏再突入 再突入時に大きな熱と抗力を受けるためパラシュートを安全に展開する速度まで減速。

<4>パラシュート展開 高度約5500メートルで2個のサブパラシュートを展開し、高度約2000メートルで4個のメインパラシュートを展開する。

<5>着水 秒速約7・6メートルまで減速して着水し、パラシュートは自動で切り離される。着水海域に待機した小型ボートがクルードラゴンをキャッチし、回収船までえい航する。回収船がクレーンで引き揚げ、クルードラゴン船内から4人の宇宙飛行士が帰還する。