藤井聡太2冠(王位・棋聖=18)が豊島将之叡王(竜王=31)への挑戦権獲得を目指す、将棋の第6期叡王戦本戦トーナメント1回戦、行方尚史(なめかた・ひさし)九段(47)戦が17日午前10時から、都内で始まった。

振り駒の結果、先手に決まった行方は先手7六歩と角道を開けたのに対し、後手の藤井は後手8四歩と飛車先の歩を突き、スタートした。

行方は九段予選で田中寅彦九段、谷川浩司九段、佐藤康光九段を破り、勝ち上がった。対する藤井は八段予選で長沼洋八段、師匠杉本昌隆八段、広瀬章人八段を下して、本戦に進出してきた。両者の対局は過去2回あり、藤井の2勝。一昨年2月の朝日杯準決勝、同年5月放送の銀河戦と連勝しているが、8大タイトル戦での対決は初めてとなる。

藤井は先週13日、順位戦B級1組1回戦で三浦弘行九段に逆転勝ち。その前の6日には王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦で深浦康市九段に敗れた。

叡王戦ではデビュー1年目の2017年(平29)の第3期、18年の第4期と段位別予選を突破して本戦に進出している。17年は深浦、18年には斎藤慎太郎王座(肩書は当時)に敗れ、どちらも初戦で姿を消した。19年は七段予選で村山慈明七段に敗れている。今局では、15年の第73期名人戦挑戦者でもある行方を相手に本戦初勝利を目指す。

今期の叡王戦本戦は16人による勝ち抜き戦。前期叡王だった永瀬拓矢王座、同ベスト4の渡辺明名人、青嶋未来六段、佐々木大地五段がシードされている。ほかは段位別予選の勝ち上がり者12人(内訳は九段と八段が各3人、七段と六段が各2人、五段と四段が各1人)が参加する。

持ち時間は各3時間。同日夜には決着の見込み。