日本将棋連盟は28日、都内で新たな準公式戦「SUNTORY 将棋オールスター東西対抗戦2021」をサントリー食品インターナショナルと創設し、共催すると発表した。指定の期間内にエントリーした現役棋士が対象で、女流棋士は対象とならない。ファン投票で東西各2人(予選シード)、予選を勝ち上がった東西各3人で構成される。日本将棋連盟によると、ファン投票も東西対抗方式も初めての企画になるという。

サントリーとは、藤井聡太2冠(王位・棋聖=18)が今年3月から広告契約を交わしている。これが契機となり、全棋士を応援しようと今回、話が進んだ。

将棋界は、東が渡辺明名人(棋王・王将=37)と永瀬拓矢王座(28)、西が豊島将之竜王・叡王(31)に藤井と、8大タイトルを東西2人ずつで2分している。均衡が保たれている上、ファンに参加してもらい、興味を持ってもらいたいとの狙いから、新たな工夫を凝らした。

ファン投票は、専用サイトで8月中をメドに投票してもらう。予選は9、10月に開催。予選突破者とファン投票で選ばれた東西5人ずつによる決勝は、個人戦と団体戦で12月下旬に開催を予定している。いずれも1手30秒未満での早指し戦で、初手からスピーディーな展開になりそうだ。

日本将棋連盟の佐藤康光会長(51)は、「長い歴史に新しい形を取り入れて、将棋界の伝統と革新を表現していきたい」と話した。