藤井聡太2冠(王位・棋聖=18)が豊島将之叡王(竜王=31)への挑戦権獲得にまた1歩近づいた。

5月31日、都内で行われた将棋の第6期叡王戦本戦トーナメント準々決勝で永瀬拓矢王座(28)を下した。午前10時から始まった対局は、先手の永瀬が攻勢を仕掛けて優位を築いたかにみえたが、チャンスを逃した後はうまく対応した藤井が午後5時23分、138手で逆転勝ちした。1回戦で行方尚史九段(47)を下した勢いに乗り、前期叡王で本戦シードの永瀬も撃破。初のベスト4入りを果たした。準決勝では、昨年の竜王戦決勝トーナメント初戦で敗れた丸山忠久九段(50)と対戦する。

藤井から見た、永瀬との対戦成績は3勝1敗。特に初顔合わせとなった昨年6月4日の棋聖戦挑戦者決定戦で藤井が勝つと、同月23日の王位戦挑戦者決定戦でも勝利し、そのまま2冠獲得へと駆け上がった。今回もライバルを下した。

今年は6月6日から始まる棋聖戦5番勝負では渡辺明名人(棋王・王将=37)、同29日から始まる王位戦7番勝負では豊島の挑戦をそれぞれ受ける。防衛戦を掛け持ちしながら、当分は竜王戦決勝トーナメントと、このタイトル戦の挑戦者を決めるトーナメントにも参戦する。「熱い」季節が始まる。