「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」の1回戦第1局が12日、都内のABEMAスタジオで行われた。対局は千日手(同一局面が連続して4回出現)のため、先手後手を入れ替えて初手より1手30秒未満の秒読みで指し直しの末、広瀬章人八段が丸山忠久九段に勝利した。

広瀬八段は、89手の熱戦を振り返り「指し直しの序盤、丸山九段に工夫されて、うまく対応できなかった。無理気味に攻めたのが結果的に通った」と話した。昨年は初戦敗退だったが「1回経験して気持ちは前向きになった。これから相手は手ごわくなるが、上位に勝ち上がれるように頑張りたい」と意気込みを語った。広瀬は次戦、9月4日の信越・北陸大会で、前年JT杯覇者の豊島将之九段と対戦する。

同大会は前回優勝者と2月28日時点での日本将棋連盟公式戦タイトルホルダー、及び昨年賞金ランキング上位の棋士12人が出場。対局は、持ち時間各10分、使い切ったら1手30秒未満、考慮時間は1分×5回と、早指しで行われている。

42回目を迎える今大会は、新型コロナウイルスの影響で、この日の1回戦第1局は岡山での中国大会が開催を取りやめ無観客開催となった。19日の東北大会以降は有観客で開催する。