将棋の最年少タイトルホルダー、藤井聡太棋聖(王位=18)が現役最強とされる渡辺明名人(棋王・王将=37)の挑戦を受ける、「第92期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第2局」が18日、兵庫県洲本市の「ホテルニューアワジ」で行われ、先手の藤井が171手で渡辺を破り、2連勝で史上最年少防衛と史上最年少九段に王手をかけた。第3局は7月3日、静岡県沼津市「沼津御用邸東付属邸第1学問所」で行われる。

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とても18歳の棋士とは思えない、鮮やかな指し回しでした。まずは、序盤の8七の地点を巡る攻防。65手目先手6八金右~67手目先手7七金右で、急所を守り切りました。中盤は、渡辺名人の86手目後手6四歩という緩手を誘いました。ここは後手4六歩と取り込んでほしかったです。それまでは接戦とみてましたから。

以降は藤井棋聖がポイントを稼ぎ、最後は攻めの拠点となった137手目先手4二歩が見事な決め手。教科書通りの戦い方でした。昨年同様の連勝ですが、タイトル戦に照準を定めてしっかり準備している感じです。これで流れは一気に傾きました。防衛が濃厚です。(加藤一二三・九段)