豊島将之叡王(竜王=31)への挑戦権を争う、将棋の第6期叡王戦本戦トーナメント準決勝、藤井聡太棋聖・王位(18)対丸山忠久九段(50)戦が22日午前10時、都内で始まった。振り駒の結果、歩が4枚出て、先手藤井はいつも通りお茶をひと口飲んで先手2六歩、後手丸山後手3四歩とした後、先手7六歩後手8八角成先手同銀と、早くも一手損角換わりになった。

両者は昨年7月の竜王戦決勝トーナメントで初めて対戦。丸山が勝ち、挑戦者決定戦3番勝負に進出して先勝したが、羽生善治九段に連敗して挑戦権を逃している。

八段の藤井は段位別予選で長沼洋、師匠の杉本昌隆、広瀬章人を撃破。16人による本戦(内訳は四・五段予選は各1人、・六・七段は各2人、八・九段各3人の計12人と、シードで前期ベスト4の渡辺明名人、佐々木大地五段、青嶋未来六段に、前期叡王の永瀬拓矢王座)では行方尚史九段、永瀬王座を倒してベスト4に勝ち上がった。

現在、棋聖戦5番勝負で挑戦者の渡辺明名人(棋王・王将)相手に2連勝。第3局(7月3日、静岡県沼津市「沼津御用邸」)に勝てばタイトル初防衛を果たすと同時に、最年少での九段昇段となる。来週29日には王位戦7番勝負第1局(30日までの2日制として名古屋市「名古屋能楽堂」で開催)で豊島の挑戦を受ける。このほか、竜王戦の決勝トーナメント入りし、初戦で山崎隆之八段とぶつかるなど、多忙な日々が続く。

対する丸山は、九段予選で屋敷伸之、鈴木大介、久保利明を下し、本戦でも青嶋六段、木村一基九段を下した。名人2期、棋王1期を獲得している実力者でもある。

持ち時間は各3時間。同日夕方には決着の見込み。勝者は、26日に都内で斎藤慎太郎八段との挑戦者決定戦を行う。