東京・上野動物園でジャイアントパンダに双子の赤ちゃんが誕生したことについて、日本パンダ保護協会の土居利光会長(69)も「よかったですね!」と喜んだ。土居さんは、上野動物園の園長だった12年7月、シンシンの赤ちゃんが生後まもなく肺炎で死んだ時に、涙をこぼしながら会見した経験も持つ。双子誕生について聞いた。

--シンシンが双子を出産しました

土居さん よかったですね! 上野の街も喜んでいるんじゃないでしょうか。

--シンシンはシャンシャンで子育てを経験していますが、双子を育てるのは難しいですか

土居さん 中国で双子が生まれる可能性は平均すると半分くらい。2頭を育てるのは大変です。上野動物園は双子は初めての経験ですが、中国の専門家は経験を積んでいるし、やり方もある程度確立しているので、聞きながらみていくと思います。野生では双子は育ちにくく、1頭がだめになる確率が高い。(母親は)片方を面倒みるだけでいっぱいになってしまう。赤ちゃんは裸で生まれてくるから温めなければいけないし、乳も与えなければいけないから結構大変なんです。飼育下では、片方を保育器で面倒をみて、様子をみて時々入れ替える方法も取っている。そういうやり方を取るんじゃないかと思う。職員も、最初のころは24時間体制、付きっきりで頑張ると思います。

--シンシンは12年、17年のシャンシャンに続いての出産です

土居さん 今までの経緯をみると、シンシンは、4~5年かけて卵子が成熟されてくる個体じゃないでしょうか。

--4歳になったシャンシャンは今年12月に中国に返還される予定です。双子も返されるのですか

土居さん ジャイアントパンダは、ワシントン条約があり、研究目的でないとやり取りはできません。繁殖の共同研究をするということで借りています。また、シャンシャンは成熟期にきているので、早く返して、いい配偶者とペアリングしてあげないとかわいそうです。今回の双子もいずれ適切に動かしてあげないと。