将棋の最年少2冠、藤井聡太王位(棋聖=19)が手痛い逆転負けを喫した。3日、山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われた第6期叡王戦5番勝第2局で午後7時5分、161手で豊島将之叡王(竜王=31)に敗れた。これで対戦成績は1勝1敗となった。第3局は来週9日、名古屋市「か茂免」で行われる。

最後は14手連続王手で迫った。右手で右ヒザを9回たたき、居ずまいを正して投了した。「足りないかなと思いました」と終局後には話したが、勝負師としては少しでもアヤを求めたかった。

昼食休憩後の42手目、後手4四歩と突いて積極的に踏み込んだ。攻めをつなげ、72手目の後手9六歩で「流れは悪くない」と思っていた。優位に局面を進め、豊島を勝利寸前まで追い詰める。「反撃されてうまく対応できなかった」。

立場を入れ替えて、豊島の挑戦を受ける王位戦第1局(6月29、30日、名古屋市「名古屋能楽堂」)で完敗した時点では、直接対決の成績は1勝7敗だった。その後、同第2局(7月13、14日、北海道旭川市「花月会館」)、同第3局(同21、22日、神戸市北区有馬温泉「中の坊瑞苑」)、叡王戦第1局(7月25日、東京都千代田区「江戸総鎮守 神田明神」)と3連勝し、盛り返したかにみえた。勝負は最後まで分からない。将棋の怖さを思い知らされた。

第3局はすぐにある。「しっかり反省して気持ちを切り替えて臨めればと思います」。叡王初奪取と最年少3冠に王手をかけるか? 大事な勝負になる。【赤塚辰浩】