新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は4日午前の衆院厚生労働委員会の閉会中審査で、東京都の新型コロナ感染症の新規感染者数が1日1万人を超える可能性について「最悪の場合にはそういうこともある」と指摘した。首都圏を中心に感染急拡大が止まらない中で「オリンピックがもうすぐ終わる。デルタ株は急に一両日で変わることはない。1万人になるということもあるし、もう少し低い6000~8000人というところで来週ぐらい」などと分析した上で「急に下がることはない」と断言した。

尾身会長は、前日3日、中等症患者を原則、自宅療養とした政府の方針転換について「相談や議論をしたことはない」と分科会への諮問などがなかったことを明らかにした。これについて田村憲久厚労相は「病床のオペレーションなので政府が決める話」とした。

立憲民主党の山井和則氏から症状が悪化して自宅で亡くなるリスクが高まる可能性を問われた尾身会長は「医療の現場では限界に来ているという感覚。国民のニーズに応えるには1本足打法ではだめ、だと思う。医療、宿泊療養施設、自宅療養の3点を総合的な対策が必要」と強調した。