東京都の小池百合子知事(69)は16日、今週末から始まる「シルバーウイーク」(18~26日)に向け、「旅行、イベントは後のお楽しみ。とっておいてください」と不要不急の外出自粛徹底を強く呼びかけた。

都庁で行われた専門家らと新型コロナウイルス感染状況について意見交換するモニタリング会議では、都の12歳以上のワクチン接種率が1回目67・8%、2回目54・7%で、今月末には7割以上に伸びる予定であることが発表された。新規感染者は831人で、25日連続で前週の同じ曜日を下回った。だが、重症者182人、死者24人と高水準にとどまり、医療提供体制は逼迫(ひっぱく)しており「ここで後戻りするわけにはいかない。次の山が高くなる」と危機感を抱き続けている。

夕方には首都圏1都3県の知事とテレビ会議を開き、『「行政」×「都民・県民」×「事業者」 気を緩めずみんなの力を結集』と掲げ、「日常生活の回復のために今が踏ん張りどころ。共通してやっていくことがポイント」と結束を重要視した。さらに「今日は私の母の命日ですけれど、残念ながらお墓参りには行けないので、心で手を合わせております」と呼び掛ければ、神奈川県の黒岩祐治知事(66)も「私の母親も米寿(88歳)の誕生日なんです。本来なら神戸に集まってお祝いするところなのですが、こういう状況なので」と続けた。

小池氏は、午前には菅義偉首相(72)とともに、都が築地市場跡地に新設する「酸素・医療提供ステーション」を視察した。【鎌田直秀】