将棋の史上最年少3冠、藤井聡太王位・叡王・棋聖(19)が17日、大阪市の関西将棋会館で指された第47期棋王戦本戦トーナメント3回戦で先手の斎藤慎太郎八段(28)に109手で敗れ、棋王戦初のベスト8進出を逃した。13日に豊島将之竜王から叡王を奪取し、史上最年少の19歳1カ月で3冠獲得後、初対局を白星で飾れず、年度内6冠の可能性がなくなった。

戦型は両者が得意とする角換わり。終盤まで一進一退の攻防が繰り広げられたが、斎藤が寄せきった。終局後、藤井は「長考したが、間違えてしまい、途中から苦しかった」と振り返った。

藤井は棋聖、王位を連続防衛し、叡王を奪取して最年少3冠を達成した。10月8日からは4冠がかかる豊島との竜王戦7番勝負が始まる。竜王を奪取し、さらに王将、棋王のタイトルも奪取に成功すれば、年度内6冠となったが、棋王戦敗退で年度内は5冠の可能性を残す。

今後、20日に名人戦順位戦B級1組の木村一基九段戦、さらに25日にはJT杯将棋日本シリーズで千田翔太七段戦と続く。「過密日程の疲れ? とくになかった。これからも対局が続くので体調に留意したい」。3冠初黒星をプラスに変える。【松浦隆司】