将棋の史上最年少3冠、藤井聡太王位・叡王・棋聖(19)が最上級のA級昇級を目指す第80期順位戦B級1組5回戦、木村一基九段(48)戦が20日午前10時、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。3冠達成後、初白星を狙う。

藤井は叡王を奪取し、史上最年少の19歳1カ月で3冠獲得後、初の対局となった17日の第47期棋王戦本戦トーナメント3回戦で斎藤慎太郎八段に敗れ、3冠初白星を逃した。

順位戦B級1組で藤井は3勝1敗、木村は1勝2敗(2回戦は抜け番)。B級1組は実力者が名を連ね、「鬼の住処(すみか)」の異名を持つ。

先後は事前に決まっており、先手の藤井はいつものようにお茶を一口飲み、心を落ち着かせてから、2六歩と飛車先の歩を突いた。後手の木村は、8四歩と飛車先を突き返した。

「千駄ケ谷の受け師」の異名を取る木村はA級5期在籍、タイトルは王位で1期、棋戦優勝は2回。現在、永瀬拓矢王座と王座戦5番勝負も最中で、自身2つ目のタイトルを狙っている。

両者の過去の対戦成績は藤井の6勝1敗。B級1組は13人が所属。総当たりで戦い、上位2人がA級に昇級する。順位戦は最上位のA級からC級2組までの5クラスに分かれて戦い、A級の優勝者が名人挑戦者となる。藤井が谷川浩司九段(59)が持つ名人獲得の史上最年少記録(21歳2カ月)を更新するには、今期のB級1組を1期で抜け、さらにA級1期目で挑戦権を獲得し、名人のタイトルを奪取する必要がある。

持ち時間は各6時間。20日夜には決着の見込み。