連日、討論会などでメディアに登場する自民党総裁選の候補者4人。その服装、しゃべり方、立ち居振る舞いについて、政財界のイメージコディネーターとして知られる印象戦略コンサルタント乳原(うはら)佳代さん(50)に、その印象などを聞いてみた。河野太郎行革相(58)には、カラーワイシャツ&暖色ネクタイで庶民へのアピールに高評価。岸田文雄前政調会長(64)はスキのない服装の半面、背中の丸まる姿勢を残念なポイントとして挙げた。高市早苗前総務相(60)にはナチュラルメークを勧め、野田聖子幹事長代行(61)にはショートカットの方が「映える」と評した。

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<岸田氏への評価>1年前の総裁選の敗北での「岸田は終わった」という風評を、あえて前置きで出してインターネットを駆使したリモート戦略で「岸田は変わった」というコピーを立てたのは見事です。服装も白いワイシャツを基調にその場に応じて青、赤、金という無地のネクタイを的確に選んでいる。ただ、座ったときに背筋がシャンとしていないので、椅子には浅めに座る方がいいかもしれません。質問への回答では「これ」「あれ」という指示語が多く、不必要に長いコメントになる。丁寧に話そうとして墓穴を掘っている感じです。

◆乳原佳代(うはら・かよ)1970年(昭45)10月5日、大阪府生まれ。印象戦略コンサルタント。20代で渡英し、演劇の専門学校「ロンドンシティーリット」で発声学、コミュニケーション学を専攻する。帰国後、キャスター、リポーターとして活動。現在は、政治家や大手企業トップらへの服装や話し方、立ち居振る舞いについて場面、立場、相手に応じて効果的に伝えるトレーニングを手掛ける。就活や婚活へのアドバイスも人気。プレジデントオンラインで連載中。