19日の衆院選公示を前に日本記者クラブが主催する9党党首討論会が18日、開かれ、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花孝志党首が自民党の岸田文雄総裁に閣外協力する用意があると呼び掛ける異例の一幕があった。

相手を指名しての討論で岸田氏を指名した立花氏は「経済政策など自民党に近い」として「閣外協力でいいので」と呼び掛けた。岸田氏は選挙結果、政治情勢など条件として挙げながらも「考えてみることはあり得る」と答え、会場を驚かせた。

「自民党は変わらない。変われない」と言いながら、4年前に比べ支持率が半減した立憲民主党の枝野幸男代表は「自分のところは変わったのか」と問われた。枝野氏は「選挙がないときに支持率が下がるのは世論調査の常識。減ったことは問題だと思っていない」と反論した。

2000年に就任して以来、21年間、党首の座にある共産党の志位和夫委員長に対しては「共産党にはそれだけ人材はいないのか」と質問が飛んだ。志位氏は小池晃書記局長ら5人の名前を挙げ、「たくさんの続く人材が出てきている」と懸命に否定した。

秘書への暴行など不祥事を起こし、他党を離党した候補者を擁立する日本維新の会の松井一郎代表は候補者の資質を問われた。「我々は再チャレンジを認めている。できる限りチャンスを与えたい」と弁明した。

18歳以下の子どもへの一律10万円給付を掲げた公明党をはじめ、ベーシックインカム、消費税減税、所得税減税など大盤振る舞いの選挙公約が並ぶ。矢野康治財務省事務次官は「まるで国庫には無尽蔵にお金があるかのような話ばかり」とばらまき合戦を批判しているが、この問題に対してだけは「100年にいっぺんの災害から命と暮らしを守る緊急支出を国債でやるのは当たり前。ばらまきというのは筋違い」(志位氏)など、全党一致していた。