12日間の「短期決戦」へ与野党の各党首も全国各地で第一声を上げた。野党共闘で政権交代を狙う立憲民主党の枝野幸男代表は午前に島根1区、鳥取2区で街頭演説を行い、午後は都内2カ所で応援演説とフル回転した。東京8区では同党の新人吉田晴美氏が野党統一候補となった。「一本化は目的ではない。あくまでも今の政治を変えるため。自民党の議席を小選挙区で奪う。その目的を達成するために今日からが本番」と強調した。

自民党の岸田文雄首相は福島市で第一声を上げた。「日本の明日を選ぶ重要な選挙だ。成長の果実を給与や所得に分配していく。成長と分配の好循環を実現し、新しい日本を切り開く」などとした。

だが、枝野氏は政府の危機管理対応を厳しく批判した。北朝鮮が日本海へ弾道ミサイルを発射した時に松野博一官房長官も選挙区の千葉入りしており、都内を不在にしていた。「総理と官房長官が、この国の危機管理を担っている。ミサイルが飛んだ時、2人とも東京にいない。危機管理に対する意識が低いことを露呈した」と問題視した。

公明党の山口那津男代表は川崎市で「次の日本を切り開く選挙となる。国会議員と地方議員がネットワークを結び、政策に練り上げて実行する」と訴えた。日本維新の会の松井一郎代表は大阪市で「分配しようと思えば、まず改革が必要。税金の使い方がおかしいところにメスを入れ、見直していくことでしか財源は確保できない」と主張した。【大上悟】