将棋の藤井聡太3冠(19)がA級昇級を目指す、第80期順位戦B級1組、郷田真隆九段(50)戦が19日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。

午前10時から始まった対局は、午後10時57分、106手で後手の藤井が勝利し、6勝1敗とした。「こちらの玉が薄く、攻めも手厚くなかったので、常にギリギリだと思っていました。判断の難しい将棋だったかと思います」と振り返った。

今期のリーグは初戦で三浦弘行九段に勝った後、稲葉陽八段に黒星を喫した。その後は屋敷伸之九段、久保利明九段、木村一基九段、横山泰明七段と連破していた。2番手グループの藤井は6戦全勝の佐々木勇気七段を、5勝1敗の千田翔太七段とともに追う。名人戦への挑戦権を争う1クラス上のA級昇級枠は上位2人だ。「自力(昇級)の目があるので、残りも昇級を目指して頑張りたいと思います」と話した。

一方、敗れた郷田はこれで3勝4敗。「後手4五歩(68手目)が厳しかった。夕食休憩の時はあまり自信がなかった。先手8六角(51手目)が使いにくくて負担になった」と敗因を挙げていた。