神奈川1区は、与党の候補者がいない数少ない選挙区の1つだ。緊急事態宣言下での銀座クラブ遊びが発覚した銀座3兄弟の1人、松本純氏(71)は、復党かなわず無所属で立候補。ただ、自民は対抗馬は立てず、当選すれば追加公認するとみられる。

松本氏陣営はピリピリムードが漂い、クラブ騒動には「誠心誠意説明するように努力を続けている。おわびをしています」を繰り返す。街頭演説でも「おわびするしかありません。この失敗は許されるとは思ってませんし、生涯、背負っていかねばならないと深く受け止めています」などと、おわびが先行する。

無所属だが、出陣式には河野洋平元衆院議長が、21日には安倍晋三元首相も応援に入った。

松本氏は7選を重ねる。対立候補の立憲民主党公認の篠原豪氏(46)とは、14年の4万5000票差が、前回は2万5000票差まで縮まった。無所属での活動の制限や、比例復活がない背水の陣がどう票に出てくるのかは、両陣営とも「わからない」を繰り返す。

一方、篠原氏は「対立候補の私が話すことではありません。何ともいえません」と敵失は語らない。とはいえ、17日投開票の横浜市金沢区の市議選補欠選挙では立憲の公認候補が当選。「自民党の先生方も応援されていましたが、勝たせていただきました」とし、街頭演説では、アベノミクス批判や格差拡大の話を展開する。

篠原氏を支援する市民連絡会共同代表の井上啓弁護士は「(松本氏は)緊急事態宣言下で銀座を飲み歩いた。離党はしたが辞職はしない。あの時、一緒に飲んでいた大阪の議員は出馬しません。普通、でられないですよね」と手厳しい。

松本氏の不祥事を有権者がどう判断するかがポイントになりそう。同区からは、日本維新の会の浅川義治氏(53)も立候補している。【竹村章】