衆院選は6日目を迎え、中盤戦に差し掛かった。新潟5区では、無所属で新人の米山隆一前新潟県知事、自民党前職の泉田裕彦元新潟県知事の事実上の与野党一騎打ちに、無所属新人の森民夫前長岡市長が参戦し、首長経験者ら3人による乱戦模様に注目が集まる。

米山氏は野党統一候補として立候補。立憲民主、共産、社民各党の支持を固める。9年続いたアベノミクスの転換を訴え「まっとうで当たり前を取り戻す選挙だと思っている」と述べた。昨年5月に結婚した作家の室井佑月氏と街頭演説に回り、出陣式では室井氏が米山氏にたすきを掛けるなど、仲むつまじい姿を見せた。米山氏は知事時代に、女性スキャンダルで任期中に辞任したが、立民の関係者は「室井さんのフォローが大きいのか、影響は少ないと思う」と話した。

森氏は大票田である長岡市の市長を1999年から5期17年務め、市内で高い知名度と人気を誇る。第一声では「政治家に1番大切なのは地域に根付いているか。自分のふるさとを愛するかどうかだ」と熱弁した。市長時代は自民党の市議らにも支えられ、16年の知事選では党の推薦を受けた。森氏は4月に出馬を表明。米山氏と泉田氏の間に割って入る形となり、関係者は「自民党の支持層の票が割れる」と分析している。

一方の泉田氏は「議員は継続は力なりです」と再選を目指す。6日に国土交通大臣政務官に就任したことを引き合いに「雪国の声を政府の中から実現していきたい」と意気込み「国会では与党の中からでないと地方の声が通らない」と、政権与党の実行力を主張した。しかし、自民党関係者は「泉田さんは選挙活動を始めるのが遅かったうえに動きが弱い。米山さんにリードを許し厳しい戦いになる」と焦りを見せた。

三つどもえの争いは誰が勝ち上がるのか。候補者の激しい戦いに拍車が掛かる。【沢田直人】