衆院選は残り1週間となり、ラストサンデーの24日、各地で街頭活動が熱気を帯びた。大阪10区は前回選に続き「自民VS立憲VS維新」という大阪独自の三つどもえの激戦区。立民前職の辻元清美氏の応援に入った元文部科学事務次官の前川喜平氏(66)が「安倍政治」を切り捨てた。

東京屈指の激戦区東京5区は自民党の若宮健嗣万博担当相、立憲民主党の手塚仁雄氏による事実上の一騎打ちで拮抗(きっこう)。現役閣僚の落選阻止へ安倍晋三元首相ら大物幹部が応援に駆けつけた。

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JR高槻駅前、立民前職の辻元清美氏(61)がピンクのマイクを握り、声を張り上げた。「くさいものにはフタをする政治でいいのでしょうか」。森友・加計学園、桜を見る会の問題を指摘し、「長期政権のうみを取り除くには、与野党を伯仲させてください」と訴えた。

加計学園の獣医学部新設計画で「行政がゆがめられた」と告発した元文部科学事務次官の前川喜平氏(66)が応援に駆けつけ「安倍内閣が日本の教育を破壊した。敵を作って、社会を分断するのは安倍政治であり、維新政治」と切り捨てた。各社の序盤の情勢調査では同区で2連勝中の辻元氏の先行が伝えられるが、「あくまでも序盤の数字。維新の勢いがすごい」と陣営は気を引き締める。

維新新人で元府議の池下卓氏(46)は辻元氏を意識して「パフォーマンスだけでは国民の生活は良くならない。大阪での改革を全国に広げていく」と対抗心をみせる。公示前の14日には、吉村洋文副代表(大阪府知事)が早々と応援に入り、JR高槻駅前で「高槻にはメチャ強い人がいる。名前は言いませんが、辻元さん。強いんだ、こりゃ」。コロナ禍で一躍、全国区になった「吉村人気」を背景に、現有10議席からの躍進を狙う維新にとって大阪10区は最重点区だ。

外科医で自民前職の大隈和英氏(52)は菅、岸田両政権で厚生労働政務官に起用され、新型コロナウイルス対策に取り組んできた。

23日には三原じゅん子前厚生労働副大臣、この日は青山繁晴参議院議員が応援入り。25日には安倍元首相が応援に入る予定。街頭で大隈氏は「犯罪を犯すことのない国会議員を選んでほしい」と強調し、「大阪は改革、改革で焼け野原」と維新政治を批判する。青山氏は「戦うドクター・大隈を国会に戻してほしい」と訴えた。【松浦隆司】