「ポップタルト」という米食品大手ケロッグ社から発売されている菓子を巡り、イチゴクリームのフィリングを使っているとうたいながら「イチゴの含有量が少なすぎる」としてイリノイ州在住の女性が500万ドル(約5億5000万円)を求める集団訴訟を起こしたことが明らかになった。

米NBCなど複数のメディアによると、訴状では「イチゴのトースターペストリー」とパッケージに描かれているが、実際にはフィリングにはより安い梨やリンゴの原料が相当多く含まれていると指摘し、「虚偽で、欺瞞(ぎまん)で、誤解を招くものだ」と批判しているという。

栄養表示によると乾燥イチゴの含有量は2%以下で、赤い食用色素で色付けされており、本物のイチゴの味もしないと主張。これは健康に良いとされるイチゴが多く含まれていると消費者に誤った印象を与える偽装行為だと述べている。

コーンフレークで有名なシリアル食品を手掛けるケロッグ社のポップタルトは、手のひらサイズのタルトにジャムが挟まれたもので、イチゴフレーバー以外にもブルーベリーやチェリー、チョコレート味などがある。米国では朝食として食べる人も多いことで知られている。同社からは訴訟に関するコメントは出されていない。

米国では最近もファストフード大手サブウェイが、サンドイッチに使われているツナからマグロのDNAが検出されず、偽物であるとしてカリフォルニア州の消費者から500万ドルを求める訴訟を起こされている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)