東京都調布市で発生した乗客刺傷事件で京王電鉄は1日、緊急停止した車両で、乗客が窓からホームへ逃げており、隙間からの転落を防止するため、乗務員らの判断で車両ドアとホームドアを開けなかったと明らかにした。

京王電鉄によると、国領駅の一駅手前の布田駅を通過したところで、乗客が非常通報装置のボタンを押した。車両は国領駅の本来の停車位置から1メートル手前で停車した。停車位置を調整するため加速しようとしたところ、乗客が非常用ドアコックを操作しており、進むことができなかった。駅には勾配がありさらに1メートル後進した。車掌が、窓からホームドアを乗り越えて逃げている乗客を確認しており、隙間から転落する可能性があると判断したことから、車両ドアとホームドアを開けなかった。

国交省は1日、全国の鉄道事業者に巡回などの警戒強化を要請する通知を出した。