プロ野球日本シリーズ7番勝負だけでなく、将棋の日本シリーズにも注目だ。史上最年少4冠の藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=19)が初制覇するか、豊島将之JT杯覇者(31)が2年連続3回目の優勝を果たすか。「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」決勝(21日、千葉市「幕張メッセ」)の前日会見が20日、都内のホテルで行われ、両対局者が出席した。

両者の対決は過去藤井の13勝9敗。今年だけで16回あり、これまで藤井の13勝3敗だ。17年8月の棋王戦挑戦者決定トーナメントから昨年の王将戦挑戦者決定リーグ戦まで6連敗だったが、立場が逆転。今年1月の朝日杯準々決勝で初勝利を挙げると、王位戦7番勝負(藤井4勝1敗)、叡王戦5番勝負(同3勝2敗)、竜王戦(同4勝)とタイトル戦は藤井がすべて制した。17回目の今回は持ち時間各10分、使い切ったら1手30秒未満(ただし、1分単位で計5回の考慮時間がある)という早指し戦だ。

藤井は19日、王将戦の挑戦権を獲得したばかり。一夜明け、「ゆっくり休めました。明日もいい状態で臨めると思います」と話した。初の決勝進出になるが、「早指しなので決断良く指していきたい」と意気込みを語った。

連覇がかかる豊島は、「そんなに意識はしていません。実力が上がっている藤井さんに思い切ってぶつかっていけたらと思います」と話した。

これからも続く「藤井・豊島名勝負数え歌」。優勝賞金500万円(準優勝150万円)がかかった今年最後の両者の対決に注目だ。【赤塚辰浩】

◆JT杯 前年度のJT杯覇者である豊島将之竜王(31)と、今年2月28日時点での8大タイトル(竜王・名人・王位・王座・棋王・叡王・王将・棋聖)保持者、20年の賞金ランキング上位者の計12人による勝ち抜き戦。本来は地方を転戦してトップ棋士同士の対戦をすべて公開対局で行う。コロナ禍の影響で、今回は1回戦2局と準決勝以降だけが公開対局となった。優勝賞金500万円、準優勝150万円。