史上最年少4冠の藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=19)が初制覇するか、豊島将之前JT杯覇者(31)が2年連続3回目の優勝を果たすか。「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」決勝(優勝賞金500万円、準優勝150万円)が21日午後4時、千葉市「幕張メッセ」で始まった。

振り駒の結果、歩が4枚出て先手は豊島で先手2六歩、後手藤井はいつものように飲み物を口に含んでから後手8四歩と、お互いに飛車先の歩を突いた。

両対局者の対戦成績は藤井の13勝9敗。17年8月の棋王戦挑戦者決定トーナメントから昨年の王将戦挑戦者決定リーグ戦まで6連敗だったが、今年に入り13勝3敗と逆転した。特に王位戦7番勝負で4勝1敗と豊島の挑戦を退け、初防衛を果たした。叡王戦5番勝負は3勝2敗、竜王戦7番勝負は4連勝でそれぞれタイトルを奪っている。JT杯では昨年の準々決勝でも激突している。

20日、都内のホテルで行われた前日会見では「ある程度、読みや判断を省略して決断良く指していくのが大事」と話していた。そのとおりに踏み込みたい。

一方、連覇がかかる豊島は「気持ちを入れ替えて、新たな気持ちで指したい」としていた。

持ち時間は各10分。使い切ったら1手30秒未満(1分単位で合計5回の考慮時間あり)という早指し戦。今年の将棋界のタイトル戦線をにぎわせた2人の再戦に注目だ。