「SUNTORY 将棋オールスター 東西対抗戦2021」が26日に都内で開催される。

日本将棋連盟の所属棋士が東軍と西軍に分かれ、各5人が初手から1手30秒で戦う初の団体戦(準公式戦)だ。25日には関西のファン投票第1位で、全体でもトップとなる6万7257票を獲得した藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=19)以下、参加10棋士が都内で記者会見を行った。同時に対戦カードも発表された。

史上最年少4冠となった藤井にとっては、今年最後の公の場での対局となる。対戦相手は、今回の参加棋士で最年長、54歳の佐藤秀司八段だ。「初手から30秒の早指しなのでしっかり集中して、チームに貢献できるように頑張ります」と話した。

団体戦ということもあり、順番も大事になる。関東のファン投票1位(2万3305票)の羽生善治九段(51)が話し合いで出場順を決めたのに対し、「じゃんけんで順番を決めました」と、西軍の大将はさらりと言ってのけた。

もっとも、関西はファン投票2位(1万7764票)で選ばれた豊島将之九段(31)と2枚看板。今年だけで王位戦、叡王戦、竜王戦とタイトル戦で3回も対戦した相手が味方になる。「同じチームで対戦することがないので、安心しています」と笑った。大舞台を経験して結果を出し、充実した1年となった4冠は、「対局を通じて成長できる1年になれば」と来年の抱負も語った。

今回の団体戦に関して豊島は「藤井さんの将棋を勉強できれば」、関東ファン投票2位(2万3226票)の永瀬拓矢王座(29)は「技術的に藤井さんに近づけるように」とコメントしている。もはや、トップ棋士からも一目置かれる存在。最後の対局でどんな指し手が飛び出すか。暮れの大一番に注目だ。【赤塚辰浩】

◆「SUNTORY 将棋オールスター 東西対抗戦2021」

サントリー食品インターナショナルと日本将棋連盟の共催で始まった新たな準公式戦。東京本部所属の東軍と、関西本部所属の西軍に分かれ、各5人による団体戦で決勝となる東西対抗戦を行う。出場の内訳は、東西のファン投票1、2位の棋士が予選免除(シード)。これに、東西の予選を勝ち抜いた各3人が加わる。決勝は5対局のうち、3勝した方が優勝。優勝賞金は、勝利チームに対して500万円。