成人年齢を18歳に引き下げる改正民法が4月に施行されることを受け、全国の自治体で22年度以降に「18歳成人」の成人式を開くのは北海道別海町と三重県伊賀市の2自治体であることが、法務省が21年12月から22年1月にかけて実施した「生年年齢引下げ後の成人式の実施に関するフォローアップ調査」で明らかになった。

両自治体は18歳成人式の導入理由について「法律上の『大人』として扱われる年齢で式をすることにより、自覚を促すことができる」としている。22年度は18歳、19歳、20歳が対象になるが、対象人数が多すぎると対応しきれないため、世代別の分散開催で「18歳成人式」への移行を進める。

別海町では22年度に20歳になる世代の成人式を22年12月25日に実施、22年度に19歳になる世代については、23年1月7日に実施する。22年度に18歳になる世代については、翌年に繰り越し、24年1月7日に実施。23年度に18歳になる世代は24年3月の春分の日に実施。24年度から18歳になる世代だけを対象とする。

別海町生涯学習課では「新型コロナで延期された20年度の成人式を21年12月26日に実施して、21年度の式は1月7日に実施し、日程的には2年度分を1年度内でできる確信を得た。美容院や貸衣装店も、期間が1週間あくのであれば対応できる」と話す。

伊賀市では22年度の対象者について、年齢別に23年1~5月に分散開催する。「年度内に20歳になる世代」が23年1月8日、「19歳になる世代」を23年3月19日、「18歳になる世代」は23年5月4日に実施する。市生涯学習課では「昨年6月には各世代にお知らせしていて、すでにそれぞれの日程で晴れ着のレンタルなど準備も進んでいる」と話した。23年度から5月4日開催に固定する。

両自治体では来年度以降、18歳で成人式を迎えることになるが、酒タバコは、民法改正後も変わらず20歳から。別海町では「保護者の手を離れて、責任を持つということは、酒タバコなどいろいろな売買契約についても責任を持つということ。式でも示していきたい」と話した。伊賀市では「すでに2016年から選挙の投票もできるようになっている。ただ、お酒は20歳まで我慢。大人としての正しい判断を求めたい」と語った。【寺沢卓】