世界一おいしいコーヒーを淹(い)れる人を決める「ワールド・ブリュワーズ・カップ2016」でアジア人として初めて世界王者となった、バリスタの粕谷哲さん(37)が開発したコーヒーが25日から、全国のファミリーマートの「ファミマ・カフェ」で発売される。

粕谷さんはIT系のベンチャー企業に勤務していたが、2012年(平24)に病気で入院した。「入院中に糖分を制限されたことからコーヒーに目覚めました」と、翌13年からバリスタに転身。わずか3年で世界王者となった。

20年2月からファミリーマートと、コーヒーの共同開発を始めた。「市場をフォローすることではなく、リードすることを考えました。お客様の好きなコーヒーを目指すのではなく、お客様に最高においしいコーヒーを提供できること目標にしました」と振り返っている。

「ファミマ・カフェ」のマシンで提供される「ブレンド」と「カフェラテ」は、その場で豆をひき、抽出される。「豆はブラジル、ガテマラ、コロンビア、ケニアの4種類を5%刻みで調整しました。今までは丁寧に長い時間をかけていれるのがいいとされていましたが、それでは雑味が出る。おいしい成分だけを抽出するために3万6000通りの組み合わせを試してベストのものを選びました」と話している。